厚生労働省の統計によると、
サラリーマンの定期健康診断の結果、異常所見のある方の割合が51%
と初めて5割を超えました。(厚生労働省のプレスリリース)
最近、産業医の先生や産業保健師から、
40代の社員が心筋梗塞や脳出血などで、仕事中に倒れてしまい
死亡したり、長期入院となる人が、本当に増えてきた
という話をよく聞くようになりました。
昭和の時代には、会社の定期健康診断で、異常所見のある人は、国内平均で10%以下(10人に1人未満)しかいなかったのですが、バブル期以降(昭和63~平成2年頃)より毎年増えはじめ、今では2人に1人が、『健康ではない』という状態になっています。
検査項目として、もっとも異常所見率が高いのは、コレステロールです。
どうやら、コレステロールが異常値となってから、血管が切れる大病になるまで、約20年という説があり(もちろん個人差はあると思います)、バブル期に20代だった方が、40代となり、20年の間ずっと異常値を改善できなかった結果、血管が切れたり詰まったり、血圧が上昇したタイミング(月曜の朝の会議中に倒れる方が70%以上だそうです)で、発症している。ということのようです。
現在、病気で1ヶ月以上の休職をされている方は、1000人に4人程度と聞きますが、健康診断の結果があまりに悪化しているため(昭和の時代から5倍も悪化)、今後、1000人に20人(50人に1人)の方が、定年を待たずに、脳・血管系の疾病などで、若くして死亡・入院する可能性があると推測することもできます。
健康診断実施後の事後フォローの大切さ
厚生労働省と労動基準監督署から、企業に対し、「定期健康診断における有所見率(異常所見のある方の割合)の改善に向けた取組の推進について」というパンフレットが2010年4月に出ています。
異常所見者に対し、医師の指導や治療開始の勧奨を企業がしていない場合、
健康配慮義務違反として労災認定や、損害賠償の請求を
企業や人事責任者が受けるリスクが高くなっていることをまず認識して頂き、
社員への注意喚起を健康診断の直後に実施することをくれぐれも御願いしたいと思います。
もちろん、会社に頼らず、自分の健康は、自分で努力して改善していくという意識を個々人が持つ必要があると思います。