「適切な人事的措置」を「適切なタイミング」で実施していれば
「最悪の事態」は回避できたのでは。。。労災の裁判で必ず使われている言葉です。
●1● 体制の整備
—メンタル不調社員の声をしっかりと聞ける体制をまず造ること。
・安全/衛生委員会が正常に機能できるよう社内的に権限やルールを制定する。
・メンタル相談の専門社員(衛生管理者が望ましい)を配置する。
・個人情報(ストレス情報など)の収集ができる専門社員(衛生管理者)を任命の上、
安心して社員が相談できる体制を整備し、情報漏えいを防止する。
・専門医(精神科医、心療内科医)による面接指導を実施する。
・休職、復職の決定機関(休職・復職決定委員会)を整備する。 など
●2● 情報収集
—社員の「ストレス」「不満」「不安」がないか情報収集を行うこと。
近頃は、上司・部下で飲みに行く機会が減り、指揮命令も「メール」で行われるなど、
極端にコミュニケーションが不足しています。
社員のストレス度合いについて、人事部が、情報収集できる体制を構築しましょう!
・年2回程度 厚生労働省推奨の「疲労蓄積度チェックシート」を活用する。
・部門別、管理職別のストレッサーランキングの調査を実施する。
・保健スタッフ(衛生管理者)による個別面談の実施。
・産業医による過重労働者面談を実施し、メンタル面で懸念のある人を早期発見する。
●3● 対策と予防
—メンタル疾患を出さないための対策と予防
・労働時間短縮 (22時以降の残業禁止–管理者の減俸措置などのルール化が必要)
・過重労働にならない人員配置 (残業の多い部門への適正な人員投入)
・管理者人事 (ストレッサーとなる管理者の降格人事など)
・管理者の教育・啓蒙活動 (労災・メンタルセミナーへの参加・開催など)
労働者のメンタル疾患は、会社側が「適切な人事的措置」を行うことで、未然に防げた可能性があり、また予防・防止できることが多いことから、昨今では「人災」(人事部長や直属上司を相手取った損害賠償請求)として裁判が行われることが増えています。