産業医の職場巡視について、「毎月1回以上」から「2月以内ごとに1回以上」へ変更することを可能とする省令の変更が平成28年12月にありました。
この報道を読み、職場巡視と職場訪問を混同している企業が増えています。
公示から半年が経ち、最近になってようやく20社に1社程度の割合で企業の人事の方から、「隔月訪問の産業医を探してほしい」という依頼を頂くケースが見受けられます。
省令改正の背景は、
※ 過労死対策、メンタルヘルス対策、疾病・障害がある等の多様化する労働者の健康確保対策の重要性が増す中、産業医に求められる役割等が変化し、産業医が対応すべき業務が増加している。
と公表されています。厚生労働省・省令改正PDF
厚労省としては、近年増加しているうつ病などの疾病を防止したり、メンタル不調者の面接指導などが忙しくなり、「職場巡視」をのん気に実施している時間はないということが言いたいのです。
しかし、職場巡視の義務を外すわけにもいかないというところで、このような法改正となったのです。
これまで、厚生労働省は、職場環境の是正や自殺対策などにかなり力をいれています。よって、事業主としての義務を緩めるようなことは一切していません。
昨年度からストレスチェック制度が導入したことなどもあり、産業医の業務は質・量共に確実に増加しています。
実質的に優先順序が低くなった「職場巡視」の頻度を下げて、労働者の面接指導の時間を確保してほしいという意味で、今回このような改正をしたのです。
これから新規に産業医の導入をご検討中の企業の皆様にお願いです。
「嘱託産業医の訪問頻度」と、訪問後に実施しなければならない産業医の実施メニューのひとつに過ぎない
「職場巡視の頻度」を混同しないで下さい。 社員の健康は、企業の利益に必ず繋がります。(下記表をご参照ください。)
弊社の対応方針としては、嘱託産業医の訪問頻度は、従来同様、毎月1回以上の訪問とし、
産業医の隔月訪問でのご依頼は、特別な事情でもない限り、受付しないこととしています。