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産業医の名義貸し|大阪出張

先週の木・金は、大阪出張でした。大阪支店の開設からまもなく半年。淀屋橋の橋のたもとにあるビルの最上階(写真)が大阪支店です。
おかげさまで、仕事の量も順調に増え始めています。現在、東京本部からエース2名が転勤し、大阪で2名を新規採用し、社員4名と少数ですが精鋭メンバーが頑張っています。

産業医の名義貸し相場

関西エリアは、産業医との契約はあるものの、「産業医の顔を知らない。」とか、「産業医はここ何年も会社に来てくれない。」という”名義貸し”状態になっている企業が圧倒的に多い。メンタル自殺などの労災事件が起こると、企業側の言い分としては、「訪問の義務を知っていながら契約違反をしていた医師が悪い」と訴訟事件の責任を真っ先に医師に転嫁しようとします。しかし、このような産業医契約書(名義貸し)は「訪問日時」を定めていなかったことなどを理由に、裁判などでは事業主の一方的な責任として処理されています。
そもそも労働安全衛生法は事業主の義務を規定した法律であるため、産業医には罰則規定がなく、過去にも医師免許の停止処分などとなったケースはありません。

最近の事件では、大阪の市立高校12校で3年間1度も産業医が訪問していないということが公正職務審査委員会の調査で発覚し、産業医の報酬(1,950万円)を自主返還すべきだと市教育長に対して勧告しましたが、その後返還したというニュースはありません。ただし、1人で数十社の名義貸しをしている○○先生がそろそろ処分されるのでは。。。という噂は、日本中で、同業の産業医からよく耳にします。

東京ではもう絶滅寸前となった”産業医の名義貸しビジネス”ですが、
関西では未だに市区単位での協定料金?らしき「名義貸し料」の相場があり、毎月15,000円から30,000円の範囲の金額を産業医が受け取っています。名義貸しの仕事は、ただひとつ。年に1回の労基署に提出する「定期健康診断の報告書」に産業医の署名をするだけ。。。
毎月訪問することを明記した産業医契約の場合は、最低月額50,000円~150,000円(月1回訪問)の範囲となるため、産業医への月々の支払額を聞けば名義貸しかどうかは、誰にでも(労基署や税務署でも)すぐにわかってしまいます。

変化の兆し

人事の担当者の考え方は「法律を遵守したい」と変化の兆しが感じられます。弊社大阪支店での産業医契約の見積もり依頼は日に日に増加しています。しかし、実際の決裁には時間がかかり、数か月後に「社長の承認が得られなかった。労基署に怒られるまで”現状維持=名義貸し”とします。」と申し訳なさそうに人事担当者から電話があります。

50人以上の労働者を雇用する事業場では、産業医に毎月1回以上職場を訪問してもらわなければならないという法律は、知らない人の方がまだ圧倒的に多く、知っていたとしても、会社にメリットよりもデメリットの方が大きいと感じている経営者が多い。

医師側も悪い

名義貸しをしている医師の多くは、周りの医師も皆名義貸しをしているという理由で、契約上の義務(毎月訪問)を果たさずにいる。「今のままで大丈夫」「困った時は、クリニックに病気の社員を連れてきなさい。」というコメントを人事の担当者が話すのをこれまで数百回は聞いています。

特に、大阪ではたらく人たちは、現在、リストラで従業員数が減り、東京に比べると恒常的に長時間労働をしている人の割合が高い。疲労やストレスからお酒を飲む頻度も多く、健康状態もいいとは言えない。メンタル不調になっても病院に行かない人が多いため、結果として重症者の割合が東京よりも高いとも言われている。

労働者の健康状態を改善することが目的の我が社としては、今まで何もしていない企業に、最初の1歩としての「産業医」を導入してもらうことの意義は大きく、弊社の大阪支店メンバーには、苦労をかけているが引き続き粘り強く頑張ってもらいたい。

産業医が毎月訪問するようになると、病気による休職・復職などの就業規則が整備され、そこではたらく人たちのメンタル予防や健康増進への意識が高まり、長時間労働やパワハラの抑止につながる。どんな会社でも、創業時には「元気な社員を増やす」ことを、事業の大きな目的のひとつに掲げていたはずである。

簡単にはいかないが、とてもやりがいのある関西エリア。

大阪や関西の意識をどう変えていくか、試行錯誤をしながら、1歩1歩、1社1社、大切にお付き合いのネットワークを広げていき、5年後までに、大阪の街で出会った人のすべてが「産業医」という医師の存在を知っている状態にもっていきたい。

※ 名義貸しをしている産業医(医師または医療法人)から、ドクタートラストの訪問できる産業医に契約を替わってほしいというご相談が増えてきています。
秘密厳守致しますので、お気軽にお問合せ下さい。

 

 

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