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メンタル休職者は、安易に復職しないこと

メンタル休職者は、安易に復職しないこと

うつ病で会社を休職した人たちのうち、約半数程度の方が復職後、おおむね1、2ヶ月から半年程度で再発し、再度休職してしまうという状況になっています。

2度目の休職となると、社会人としての信用を大きく損ないますし、病状も厳しくなり、回復も遅れがちになることがが多いようです。

身体的にも、メンタル的にも、経済的にも、非常に辛い状況に追い込まれてしまいます。

メンタル疾患は、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れた病気です。脳内のバランスを取り戻すには、薬による治療と、自分の思考の歪みに気づき改善すること。それにメンタルに陥った「きっかけ」から離れ、十分な休養をとることが必要です。

脳内のバランスが崩れている期間が長くなればなるほど、回復するために必要な期間が一般に長くなるのです。

再発リスクは、一般には

1回目 50%
2回目 70%
3回目 90%となり、再発回数が増えるほど、病気から逃れることが困難になります。

多くの人は、
主治医から「1ヶ月の休養を要する」というような診断書をもらって、
会社を休職します。

この診断書を信じて、1ヶ月で復職できると思っていた人の大半が、無理をして、ストレスフルな職場に戻り、その結果、再発を繰り返すことになります。

更には、職を失い、5年、10年という長期療養生活を余儀なくされている現実があることを本人も会社も、知ってほしいと思います。

 

最初の休職での、復職のタイミングは、
元気だった頃よりも元気になってからが、基本です。

ストレスなどの高い状態が続くことで、脳にダメージが少しづつ加わり、何年もかかって病気なったものが、たった1ヶ月で完全に完治するなどと思わないほうがいいと思います。自分でも、もう飽き飽きするくらい会社を休むことをお勧めします。

その結果、就業規則などで解雇される結果になったとしても、再発する可能性を感じる状態であれば、完全に病気を治すことを優先し、療養に専念すべきです。

長い目で見ることが必要です。経済的な問題は、大きな問題ですが、数年後に、一生働けない体になるリスクを恐れるべきです。まずは、じっくりと時間をかけて、健康な心身を取り戻すことが、何よりも優先すべきです。

 

★職場復帰後の働き方について

うつ病に一度罹った人は、
元気だった頃に、出来ていた仕事量を100%とした場合、
職場復帰後は、どんなに頑張っても70%程度までが限界であるとよく言われています。

逆に、100%に戻そうと頑張ることが、再発につながります。

今までが、病気になるほど頑張り過ぎていたわけですから、70%も出せれば、もう十分です。

70%の力でも、
他の社員に引けを取らないような働き方のコツを掴み、無駄な仕事を極力しないよう優先順位をつけて効率よく仕事ができる。という風にできるよう工夫をして見てください。

病気が回復してきたら、
将来に向けた「自分の働き方」というものを、じっくりとかつ戦略的に見つめ直すといいでしょう。

また、病気になった「きっかけ」を整理し、同じような出来事が起こっても、今度は、気持ちが崩れないように、対処方法なども考えておくべきです。

一度でもメンタル疾患に罹った人は、「完治」「治癒」という状態を期待してはいけません。

精神科医などの専門医も、医学用語である「寛解」というレベルを、治療の目標にしています。

「寛解」とは、病勢が静止した、あるいは一時的に回復した状態をいいます。このことは、再発の恐れが常にあるものと考えてください。高血圧や糖尿病の患者は、生活習慣を変えて、絶えず気を付けて行かなければ、病状が増悪したり、死に至る大きな病気につながることを知っています。

メンタルも同様に、常に「気をつけていく」ことが大切です。

 

自分の健康 > 仕事

安易に、復職をしようとはせずに、ゆっくり休むことと、多少、元気になって来てからは、今後の「働き方」について、再発が起きないことを前提に、マイナス思考などがあるのであれば、反省すべき点を反省し、楽しく働いている自分をイメージしながら、いろいろな本を読んだりするといいでしょう。

 

 

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