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社員への病院紹介は慎重に

人事・総務のご担当者様へ

病院紹介について

精神疾患は、必ず完治できるという病気ではありません。
長期間、治療を受けてこなかった方や、早期に適切といえる治療を受けていなかった方の場合、むしろ、治らないケースの方が多い病気だと思います。

会社が(産業医の紹介のもと)、その治療を受ける医療機関を指定し、結果として、症状が回復しなかった場合、ご本人もしくはご家族からすれば、
「会社のせいで病気になり、会社が指示した医療機関で治療をした結果、完治できなかった」

ということになれば、その責任をとってほしいという声が大きくなることは、十分考えられることです。
街中のどこでも見かけるようになった「心療内科」クリニックなどは、医師の良し悪しの差が大きいように感じています。病院選びは、患者本人がすべきことです。

ご本人のために、良かれと思って、病院紹介などをしたことが、仇(あだ)になることがあることを、人事のご担当者様は事前に十分ご了解下さい。

病院等のご紹介に際し、紹介状を書いてくれる産業医と、書いてくれない産業医、病状により紹介する先生、しない先生がいます。

弊社は、その判断は、原則、医師である産業医個人の判断に任せておりますが、

紹介する場合は、最低でも、ご本人の承諾書(病気が改善しない場合、その責任を会社・産業医に追及しない旨)を提出して頂くようお願いしています。

病気が治ってさえくれれば、何一つ問題とははならないのですが、安易な「病院紹介」は避けた方が無難です。

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