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うつ病などメンタル面で心配な社員はひとりもいないという会社

うつ病などメンタル面で心配な社員はひとりもいないという会社は、
50人程度の規模以上となれば、「ない」はずです。

メンタル面で不安のある社員は、
最近は、どこの企業でも、普通に社員数の2~10%程度の割合でいます。(大げさな数字ではなく、むしろ氷山の一角だと考えています)
すでに、休職していたり、復職しても数日後にまた休職するということを繰り返している社員の方々の割合です。

時々、「うちの会社には、メンタルで問題のある社員はひとりもいない」と豪語される人事部長さんによくお会いしますが、私としては、

逆に「ホントは社員のことを何もわかっていないんだな」と思ったり、
「自分の体調が悪いことすら、何ひとつ言えない会社なのかな?」と
心配になったりしています。

うつ病は、もはや国民的な病気であり、社員数の2%程度方が休職することは、会社としては、もはや、あたりまえと考えた方がいいと思います。

ただし、
うつ病の社員が、2%を超えてしまっている会社の場合は、「会社としての原因」が必ずあると、
考えることにしています。

その原因の探索こそが、産業医としての、一番大きな課題だと思います。

① 残業が恒常的に多い、仕事(ノルマ)がきつい
② 部門としての問題(部長や課長など管理職の問題、仕事の量、質、勤務時間など)
③ 給与と仕事の内容が見合っていない
④ 将来に対する不安感、昇進、昇給制度の問題
⑤ 目指すべき上司、先輩がいない
⑥ 仕事でミスをした結果、会社に居づらくなった
⑦ 仲のいい同僚がいなく、孤独だ
⑦ 仕事の内容が自分に向いていない

これらの原因を取り除くためには、

「個人の資質の問題だ」などと、簡単に片付けずに、会社としての 「 人事的な措置 」 をとることで

「ほとんどの問題は、解決できる」 と考えてみて頂きたいと思っています。

それには、本人や周りの人から、人事の方が、本人から「良く話しを聞く」ことが大切です。
人事の人が忙しいのもわかりますが、「会社」が原因で、「悩んでいる」のであれば、「何かできること」を考えてほしいと思います。

産業医のご紹介に際し、
「メンタルで問題のある社員がいない」と
会社の責任者が断言した場合、

私は、産業医を引き受けてくれる先生に対し、「いないどころか、むしろ、たくさんの方が悩んでいる可能性があるので、覚悟して引き受けてほしい」と、実は、あらかじめ産業医には説明をしています。。。

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