1. 私見
  2. 534 view

新・国家資格「公認心理師」に期待したいこと

2015年10月17日

減らない、治らない精神疾患

精神疾患により医療機関にかかっている患者の数は、現在320万人を超え、今なお増加し続けている。(参照:厚生労働省HP
精神疾患の多くは、主に「遺伝的要因」と「環境的要因」が相互作用して発症すると考えられている。
これほどまでに患者数が増加してしまった今の現状を考えると「遺伝」が主因の人はごく少数のはずである。
大半の人が、職場環境や家庭環境の影響を受け、病気を発症し、病気を治すはずの薬の副作用で心や身体がダメージを受けて、結局、元のような健康な状態に戻らなくなっている。

エビデンスはまったくありません。私の単なる私見ですが、この320万人の精神疾患に罹っている患者の相当多くの人たちは、おそらく病院に行っていなければ、薬を飲まなければ、
そして、長くてもひと月くらい、現実的には1週間くらい、ゆっくり休み、睡眠をたっぷりとり、疲労の蓄積をリセットできていれば、ここまで多くの人が苦しまなくてもよかったのではないかという思いが日に日に大きくなっています。

安易に病院に行ってはいけない

『気分の落ち込みなどが2週間以上続くようなら、専門医へ』という精神科や心療内科への通院を促すキャッチコピーがありますが、
病院に行き、2週間以上気分が落ち込んでいると主訴(患者が医者に申し立てる症状のうちの、主要なもの。)すれば、
うつ病・適応障害(適応障害は病気ではないと考えた方がいい)などの精神病の病名が付され、薬物治療が開始されてしまいます。

この時に、医師の多くは、現在の環境(職場や学校)を変えることを指導します。
安易に病院に行ってしまった結果、転職や失業を真剣に検討することになり、一気に人生が大きく変わります。
治療期間は、少なくとも半年から、下手をすれば10年、20年以上、病気と付き合うことになります。
だから、患者数が減らないのです。

メンタルクリニック バブル

昨今のメンタルクリニックの乱立振りをみてもわかる通り、どこのクリニックにも患者が溢れ、3ヶ月先まで予約で一杯という状態がずっと続いている。

どこの大学の医学部でも、成績優秀者でなければ、精神科の医局には入局できないと言われ、医学生の間でも精神科医になりたいと考える人が増えている。

精神科医療の場合、病名の診断や診察の時間は、元気のない患者から、病気になった原因や病状を細かく確認するため、初診時も、再診時も、相当な時間がかかるはずである。

しかし、実際には、ひとり5分程度というところが標準的ではないか。

これでは、いけない。

いけないと精神科医もわかっているが、薬を処方する医療が主流である。

平成27年9月に公認心理師法が成立

すでに精神病院やメンタルクリニックでは、精神保健福祉士や臨床心理士が活躍しているが、まもなく、国家資格として公認心理師が誕生します。

公認心理師には、メンタルクリニックでは、時間とコストの面で実現出来ていない、認知行動療法などのセミナーやカウンセリング、個別指導など、薬物療法以外の治療方法を実施してほしい。

公認心理師に、精神科医がやりたくても出来ていない手間ひまかかる部分で、どんどん活躍してほしい。

人件費が高い医師の仕事の中から、人件費が医師よりも低い公認心理師に、仕事の分担ができるようにすることが、薬物依存や薬漬けの患者を少しでも少なくする近道ではないか。

従来の心理士が心理師となり、おそらくメンタル系コメディカルの最上位資格として定着すると思われる公認心理師の地位を上げることと、

公認心理師による患者や健常者への適正な教育の機会(セミナー、勉強会など)が増えることを願っています。

 

株式会社ドクタートラスト

高橋 雅彦

私見の最近記事

  1. 究極のメンタル対策「雑談」

  2. 健康診断に命を助けられた話

  3. 産業保健革命とは

  4. 長時間労働による過労自殺をどう防ぐか

  5. ストレスチェックの問題点

関連記事